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トラ先生の診察①
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朝七時、ぼくは愛車であるKONA社の5インチタイヤのファットバイクに乗り自宅を出た。
今朝は雲の少ない晴天で、濃くて青い空が高く、空気も澄み、とても気持ちのよい一日の始まりと、朝食にドーナッツを食べられる悦びに心が満ちる。
ウキウキした気分に合わせて、ヘッドフォンステレオの選曲をKevin Lyttleにしてみた。ヒットソングの『Turn Me On』がスタートする。
軽快なHip-hopのリズムにのって爽やかに走行し、通学路からわずかに逸れた場所にあるミスタードーナツへとぼくは向かった。
ドーナッツと温かいコーヒーが載ったトレイをテーブルに置き、向かいの椅子にリュックサックを降ろしてぼくも椅子に腰掛ける。
小さいテーブルと小さくかたい椅子は、狭い席幅と合間っていつも僅かな居心地の悪さを感じる。
カウンター席にすればよかったかなぁ…
トレイの上には三種類のドーナッツ。オールドファッションのプレーンとシナモン、ココナッツチョコレート。
普段のぼくの朝食は決まっていて、ご飯とお味噌汁と納豆と玉子、それに梅干しとか漬物や残り物の煮物なんかをその時々で食べる。
パンも好きなので気分によって変えたりもする。
ただ、今日みたいに、なぜだか朝から無性にドーナッツを食べたくなる時があって、そういう時は素直に自分の身体の要求に従うことにしているのだ。
ドーナッツをかじりながら、スマートフォンの画面を確認すると、トラ先生からLINEが来ていました。
毎朝届く朝のあいさつです。
今日は小児科の診療所に勤務の日だから、少しだけゆっくり出勤されます。
〔おはようございます。今ミスタードーナツに居ます。今日もお仕事がんばって下さい。〕
負担にならないように短い文と、気持ちを表したスタンプを送信すると直ぐに既読がつき、
〔いまから行くわ!〕
と返って来ました。
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