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誰かが呼んでいる。暗い中に光が広がる。
?「こらー!!雪(ユキ)、起きて!!」
ぼんやりと目を開けると、薄茶色の髪に青みがかった大きな瞳。白い肌を赤くした幼馴染みがいた。
雪「涙(ルイ)、耳元でやめて。起きたから。」
涙「こんなとこで寝てるから!なにかあったらどーすんの!!」
可愛い顔立ちのワンコが毛を逆立てて怒っている、ように見える。
雪「ごめん、本読んでたら寝ちゃった。ここ気持ちいいんだもん。」
胸元の本を退けつつ、起き上がる。
今は夏休みの始まり。
うちの学校は夏休み期間も図書館を開けているので、借りにきたんだった。
涙「気持ちよくてもダメ!危ないし!図書館のほうが涼しいでしょー?」
雪「風が気持ちいいし、木のにおいがするから、ここがいーの。」
ここはテニスコート近くの坂。芝生の上に木々が生い茂り、木陰をつくる。下から吹き上げる風が心地よい。
テニス部に所属している涙と一緒に学校へ来て、本を借り、ここで本を読んで過ごしていた。
芝の上で寝転んでそのまま寝てしまったみたい。
涙「もう!俺今日の部活終わりだから、一緒に帰ろ?」
雪「え、もうそんな時間?」
時計を見ると、13時をまわっていた。
雪「僕、結構寝てた?」
涙「一時間ぐらいだよー。俺の試合終わったときは起きてたし。」
雪「てか、部活終わるの早くない?」
いつもは1日部活だから、18時ぐらいにか帰らない。僕は本を借りるだけだから、いつも昼には帰ってる。
涙「今日は顧問が午後会議でいないんだよ。ご飯食べて、遊びにいこ!!」
ニコニコと体育座りで待っている。
とても犬っぽい。
雪「いいよ。あ、お母さんがご飯作ってくれてるかもしれないから、ご飯食べてからでもいい?」
涙「全然オッケー♪」
?「おーい、涙~!」
涙の後ろから大きな声が響いた。
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