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僕と涙の家はお隣さんだから、一緒の方向。
帝先輩と皇先輩は反対方向なんだって、涙が言ってた。だから駅までしか一緒にはいけない。
帝「はい、さっさと帰ろう。」
涙「いや、待って!帝は反対方向でしょ!」
帝「なに言ってんの。お姫さま二人で帰すわけにはいかないでしょ?」
涙「はぁー?なに言ってんの、雪は俺が守るから大丈夫!俺は姫とか言われる顔じゃないし。」
皇先輩はなにも言わず、ため息をはく。
帝「お前も自覚ねーなー。」
ぼそっと言った帝先輩の声が聞こえた。
いや、涙は可愛いよ。可愛くて明るくて、みんなに優しくて、愛されるタイプ。
僕とは正反対。可愛くないし、暗いし、友達も少ないし。ホントに涙が羨ましい。
帝先輩が頭をガリガリかきながら、どーするか考えいる。僕は苦笑いしながら、涙へ声をかける。
雪「せっかく、先輩がそう言ってくれてるし、言葉に甘えようよ。僕ももう少し仲良くなりたいし。」
涙「…雪がそう言うなら。」
嫌な顔しながらも了承してくれた。
帝先輩はほっと息をはき、皇先輩は苦笑い。
結局家の前まで送ってもらった。
雪「すみません、わざわざ送っていただいて、ありがとうございます。」
涙「…ありがと、ゴザイマス。」
帝「生意気!」
帝先輩は涙の頭をグリグリなで回していた。髪がボサボサになる!と涙は騒ぐ。
ふと皇先輩を見ると少し悲しそうな顔をしていた。
そんな気がする、ぐらいの変化だったけど。
その顔が少し気になった。
パッと皇先輩と目があうと、もういつもの表情だった。
皇「雪と涙は襲われたりしたことないのか?」
雪「?僕は絡まれることはありますけど、襲われることなんてないですよ。どんな物好きですか。涙は襲われそうになったりしてますけど。」
皇先輩はまた苦笑い。
皇「そういうとき、今までどうしてたんだ?」
雪「僕、一応柔道と合気道習ってました。涙も一緒に。」
皇「意外だな。」
ふわっと不器用な笑顔が、その顔に浮かぶ。
僕はなぜかほっとした。
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