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それから二人は帰っていった。
涙と別れて家に入ろうとしたら、涙が服の裾を引っ張った。
雪「…二人とも今日はいないの?」
涙「うん。今日は遅くなるって連絡きたから。」
涙の両親は大きな会社の社長と秘書。すごく忙しくて、あまり家にいない。
でも、涙のことはすごく大事にしている。行事とかには必ず来てくれるし、出来るだけ涙と居ようと努力している。帰れないときは必ず心配のメールも届く。
雪「今日は家でご飯食べよう?そのあと涙の家に一緒に行くから。」
涙「…うん。」
普段からは考えられない涙の弱気な顔。
寂しくなるといつもこうなる。毎回ではないけど、時々無性に人恋しくなるようだ。
母「あら、お帰り。今日は涙くんも一緒ね♪咲ちゃんから連絡きてたから、夕飯はうちで食べてってね!」
涙「うん!ありがとう、玲子ママ。」
涙は明るく答える。
うちの両親と涙の両親は仲が良い。お父さん達が同級生だから。あとうちのお母さんと涙のお母さんは二人ともハーフなので、自然と仲良くなったみたい。
うちでご飯を食べて、僕はお風呂に入った。
そして、眼鏡とコンタクトをはずす。
雪「お母さん、今日は涙の家に泊まるね。そのまま学校の図書館に行くから。」
母「あらあら、また夜更かしするつもりね!ゲームもほどほどにするのよー。」
そう言って涙の家へ向かった。
涙「俺、風呂入ってくるから、部屋で適当にしてて。」
雪「わかったー。」
勝手知ってる、て感じて二階の涙の部屋へ向かう。
部屋の中は綺麗にされているけど、所々本や物が落ちていて涙っぽい部屋だ。綺麗すぎないとこが涙っぽい。
お風呂から出てきた涙は髪を拭くのもそこそこに部屋に上がってきた。
雪「あ、また頭そんなにしてー。」
涙「寝てたら乾くからいーよ。」
雪「ダメ!ドライヤーしに行くよ。」
しぶる涙を引っ張って洗面台の前に座らせる。ドライヤーをかけてあげると、気持ち良さそうに目を閉じる。なんだかんだ、涙は甘えん坊なのだ。
お互い一人っ子だけど、昔から涙の面倒を見ていたから、そんな気がしなかった。
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