アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
7.
-
それから部屋に上がり、少し話をしていると0時を過ぎていた。そろそろ寝ようかとなって、涙の少し大きめのベッドへ向かう。
涙「…雪、そばにいて。」
雪「わかってる。そばにいるから、ゆっくりおやすみ。」
一緒にベッドに潜り込み、胸元へ潜り込む涙の背中を叩いてあげる。涙はホッと息を吐き、目蓋をおとす。
ゆっくり上下する温かい背中を撫でて、聞こえてきた寝息に目を閉じる。
涙は親に大事にされているけど、小さい頃涙の両親は会社の引き継ぎ等に追われてて、涙と一緒に寝ることが出来なかった。涙が寝てから帰ってきて、起きる前に出ていく。当時は家政婦さんを雇って、涙の世話をお願いするくらいに忙しかった。
そのため、涙は一人で寝ることが苦手だ。
やっと二人の仕事が落ち着くころには涙も中学生になっていたから、添い寝など言い出せず、小学校から事情を知っていた僕に頼ってきた。
今は普通に寝ることができるけど、たまにこうなる。それが切なく、今でも一緒に寝たりする。
朝、目が覚めると涙はまだ寝ていた。
涙は寝起きが良くない。
雪「涙ー、起きて。もう準備しないと遅刻するよー!ねぇ、起きてー!!」
涙「うぅー、あとちょっと。もうちょっと…。」
雪「ダメー!もう、置いてくよー。」
涙「やだー。一緒に行くー。起きるー。」
のそのそと起きてきて、準備する。簡単に作った朝ご飯を食べて、僕はコンタクトと眼鏡をつけて一緒に家を出る。
涙「あー、眠い!やっと、目ー覚めたー。」
雪「いつもどうやって起きてるの?」
涙「目覚まし4個ぐらいかけてる!!雪が来るときは余計に起きられないだけ!」
雪「じゃあ、もう行かない。」
涙「わぁ!?ごめんなさい、もうしません!!」
あわあわ、している涙を見て笑う。
校門を通るときに前に人だかりが出来ていた。
その中心はもちろん、帝先輩と皇先輩。
うちは男子校だから、周りも当然男子。
僕と涙はうわー…と思いながら、横を通り抜ける…はずだった。
涙がガシっと帝先輩に捕まった。
帝「じゃあ、ちょっとこの子に用事があるから、ごめんねー。」
そう言って人だかりから出てきた帝先輩。
皇先輩はさらっとこっちへ抜けてきた。
涙「俺は用事ないですけどー?」
帝「いいから、助けろ。」
ボソボソと小さく言い合う。
周りの追っかけからジーと見られて、ちょっと怖い。
涙「あ、部活の件ですよねー?忘れてましたー。」
にっこり笑って周りに聞こえるように話す。
周りにはなーんだって見てる人、涙の笑顔に顔を赤くしている人、嫉妬の視線を向けている人と、様々だ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 393