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ふぅっと一息。
これから予定もないし、家で本でも読もうかな。
少し心を落ち着けたい。
皇先輩を見ると、ただ涙の家を見ていた。
先ほどの悲しい顔でもなく、辛そうな顔でもなく、真っ直ぐ見ていた。
皇「雪、本当に予定あるのか?」
こちらを見ずに尋ねる。
雪「…まさか。今日は涙に付いてるつもりでしたが、余計なお世話でしょう。」
ふっと不器用に笑って、こっちを見た。
皇「迷惑でなければ、俺に付き合ってくれ。」
予定もないし、まぁいいか。
雪「いいですよ。ちょっと家に寄って着替えてきます。」
皇「あぁ。雪、コンタクトも眼鏡もいらない。その方が楽なんだろう。」
よく見ているな。
雪「でも、こんなの連れてたら、迷惑になるでしょう?」
皇「問題ない。早く着替えてこい。」
雪「じゃあ、お言葉に甘えて…。」
急いで家に向かう。
てか、皇先輩と出掛けるって、どうしよう。
あんな雑誌から抜け出たような人と並んで歩くなんて。
皇先輩は白いTシャツに青いストレートのジーパン。ゴツいベルトと靴。シルバーのアクセサリーをつけていた。ラフな格好なのに、色黒な肌にとても似合っていた。
僕は白のロンTに黒のスキニー、青のサマーニットの帽子にした。涙とお揃いの紐チョーカーをして家を出た。
悩んだ末に眼鏡とコンタクトはやめた。今日は楽にしていたい。
雪「お待たせしました。」
皇先輩は僕を見て、目を見開いた。
なにか変だったかな?
皇「すごい破壊力だな。」
意味がわからない。
雪「どこに行くんですか?」
皇「…特に決めてなかったな。のんびりしたいから近くの水族館にでも行くか。」
雪「わぁ、僕そこの水族館好きです。中にあるカフェで過ごすのが好きなんです。」
ニコニコして話していると
ふっと笑って、頭を撫でられた。
ここ最近はよく笑っている顔を見かけるな。それ以外の顔も。
仲良くなってあまり期間がたってないし、あまり表情を変えるとこ、見たことなかったし。少しは仲良くなれた証拠かな。
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