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18.
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ぴくっと反応したのは涙。
雪「ほら、迎えておいで。」
うん、と頷いてパタパタと駆けていく。
可愛いなぁ、一生懸命で。
帝「あ、雪ちゃんもいるー。エプロン可愛い!!」
皇「先にお邪魔しますだろ。」
そのやり取りにくすっと笑って、涙を見る。
やっぱり少しむくれていた。
雪「いらっしゃい。帝先輩褒める人間違ってますよ。」
隣に視線を移した帝先輩は、涙の頬をツンツンとして、優しい笑顔で宥めてる。
僕は心配になって、皇先輩へ視線を向ける。
ぱちっと皇先輩と視線が合う。
それから、先輩は片眉を下げて、不器用に笑う。
雪「それより、ご飯食べませんか?僕お腹空きました。」
涙「あ、雪。準備してくれてたんだ。ありがとー。」
雪「いいよ。さ、食べよう。」
それからは他愛もない話をしながら食べ始めた。
帝「旨い!二人とも上手だな。涙は意外だ。」
涙「なんてこと言うんだ!」
皇「そうだな。びっくりするほど旨い。」
良かった。たくさん作ったけど、あっという間に空っぽ。さすが。
それから洗い物して、差し入れに持ってきてくれたケーキを皆で食べて、のんびり過ごした。
雪「僕そろそろ帰ろうかな。」
帝先輩は今日も泊まるみたい。
皇「そうだな、ゆっくりし過ぎた。」
涙「え、でも…。」
帝「雪ちゃん、ご飯ありがと。皇は気をつけて帰れよ。」
うん、潔いな。
早く帰れ感が隠せてないよ、帝先輩。
それから、あっと思って、帝先輩を呼ぶ。
雪「先輩。明日のこと考えてくださいね。部活休ませるなんて、先輩失格ですよ。」
耳元で話す。
苦笑いを浮かべた帝先輩が頷いた。
皇先輩と一緒に涙の家をでる。
ちらっと皇先輩を見ると、いつもの表情だった。
良かった。
雪「あ、皇先輩。終電終わってません?」
皇「え、そうだっけ。」
0時前になってるし。
雪「ここの近くの駅は、終電早いんですよ。」
皇先輩はうーん、と呟いていた。
皇「歩いて帰るよ。大通りまでいけばタクシーあるだろ。」
雪「でも…。」
ここから大通りまでは結構歩く。
皇「現役部活生なめんなよ。」
また、不器用な笑顔。
僕もうーん、と考えて、仕方ないかと思う。
雪「うち泊まっていきます?」
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