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帰ろうとしていると、涙は少し部活に顔を出すらしい。多分帝先輩に会いに行くのだろう。
夏休み明けから、帝先輩と涙のことはあっという間に広がった。だって帝先輩、隠す気ないし。
まぁ、影で泣いている人はすごく多かったけど、特別嫌がらせとかはなかったみたい。
帝先輩、怒らせると恐そうだもんね。涙も言い返すほうだし、多少は護身術もあるし。
涙は僕が1人で帰るのは心配だから待っててって言われたけど、今日は夕飯を頼まれたから、急いで帰りたい。過保護にもほどがある。
佐藤「あれ、桜田。まだ帰んないの?」
雪「帰りたいけど、涙が1人はダメって言って聞かないんだ。」
僕も自分の身ぐらい守れるのに。
佐藤「じゃあ、俺と帰る?送ってくよ。部活は先輩達が学園祭の準備で来れないみたいで、休みになったんだ。涙もそれなら納得するだろ?」
うちの学校は進学校なので、部活はそこまで厳しくない。こうやって、休みになることもあるようだ。
雪「うーん…じゃ、一緒に帰ろう。涙には連絡しとく。あ、でも、駅までで大丈夫だからね。」
涙へLINEしておく。荷物を持って帰ることにした。
帰り道はは学園祭のことや部活の愚痴などで盛り上がった。
佐藤「でもさー、ウェイトレスは衣装作りって大変だなー。俺らは会場設営とメニューの練習とかだし。」
雪「でも、こっちは衣装だけだから、結構楽してるかも。家庭科室でみんなで作業するんだって。ほとんどは買うみたいだけど、やっぱ直すものもあるみたい。」
僕は苦笑い。幸い縫い物は得意だし、まぁ、なんとかなるかなーと思っている。
うちのお母さんは料理と洗濯以外の家事が全然ダメ。掃除とか縫い物とかはお父さんが得意なので、昔から教えてもらっていた。
あっという間に駅に到着。
買い物もあるので、送ってくれなくていいって言ったんだけど、佐藤くんも買うのがあるからって、一緒にスーパーへ。
夕食の買い物のつもりが、安売りしてた洗剤やトイレットペーパーなども買ってしまい、結構な荷物に。
佐藤「半分持つよ。」
ひょいっと片手で重い方の荷物を持ってくれて、家の方向へ歩きだす。
道わかんないんだから、案内してーと言いながら。
やっぱり優しいなぁーと思った。
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