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その日の帰り。
今日は涙達じゃなく、実くんと帰ることになった。部活が遅くなるみたい。
2人で教室を出た。
実「雪、衣装できたの?」
雪「うん…やっぱ恥ずかしいね。」
実「うわ、ちょー見たい!!」
雪「全然似合ってないよ…。あ、でも涙は可愛かった!」
写メあるけど、さすがにこれは帝先輩専用だよね。
だって、顔真っ赤で、上目遣いだったんだよ。他の人には見せられないね。
実「俺は料理の練習ー。ところどころ火傷中。」
そう言ってかざした手は赤くなっているところが2つ、3つある。痛そう。
実の手が眉間に伸びてきて、親指で擦られる。
実「雪、皺寄ってるよ。」
眼鏡の上から、少し擦って、手を離した。
あ、またあの目。優しいような、熱いような。
雪「そんなに?ありがとう。よし!明日は実くんの分まで会場設営がんばるね。」
両手をぐーにして、胸元でぐっと握る。
あはは、と笑った。
それからはほかのクラスのことを聞いて歩いた。
同じ駅で降りて、それぞれの家路につく…と思ったんだけど、…。
実「ちゃんと家まで送る。」
雪「いや、でも悪いし。そんなに離れてないし。」
実「ダーメ。涙に怒られるだろ。…それに皇先輩には送ってもらってるんだろ?」
雪「?だって皇先輩は帝先輩の付き添いだもん。僕を送ってるわけじゃないよ?」
実「いーの、俺が送りたいの!じゃ、しゅっぱーつ!」
そのまま実くんは僕の家の方へ歩き出す。
というか、なんで皇先輩のこと?僕を送ってるわけじゃない。涙のためなのに。
また胸がツキンと痛む。
なにこれ?胸を擦る。
今は痛くない。
実くんに呼ばれて、慌てて駆け出した。
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