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目が開けると、白い天井。薬品の匂い。
なんでこんなとこに。
皇「雪、起きたか。痛むとこはないか。」
横を向くと、心配そうな皇先輩の顔。
あぁ、僕、襲われたんだった。皇先輩たちが助けてくれたんだった。
雪「…大丈夫です。」
皇「ちょっと待ってろ。先生呼んでくるから。」
椅子から立ち上がり、カーテンの向こうへ消えていく。頭に包帯。ほほにはガーゼ。動くとお腹に痛みがある。
シャッとカーテンが再度開き、保健室の先生がいる。怪我の状態を確認して、ゆっくりと状況を聞かれた。
先生「辛かったね。話してくれてありがとう。申し訳ないけど、身体も確認させてもらった。報告はこちらでやるから、水分をとってもう少し寝なさい。」
水を飲んで、横になるとそのまま眠ってしまった。
次に起きたときには暗くなっていた。
隣には椅子に座ったまま寝ている皇先輩。ベッドに頭をついて寝ている涙。優しく涙の頭を撫でている帝先輩。
帝「起きた?気分はどう?大丈夫そう? 」
こくっと頷く。
帝「そう。起きたらご両親に連絡して、迎えに来てもらうよう先生に言われてる。状況は先生達が電話してあるって。」
連絡してくると言って、席を離れていく。
皇先輩がパチッと起きた。
皇「雪、大丈夫か?」
雪「はい。ご心配をおかけしました。皇先輩さっき起きたときから、ずっとここにいたんですか?」
皇先輩が少し困ったような顔をして、笑った。
皇「覚えてないのか。保健室に連れてきてから、雪が俺の袖を離さなくてな。浴衣だったから脱ぐわけにもいかなかった。また寝たあとも同じ。」
自分の手元を見て、まだ捕まえていることにボッと顔が熱くなる。
雪「すみません!疲れてるのに。」
皇「大丈夫。俺は着替えてくるから、もう少し休みな。」
よく見たら、皇先輩はまだ浴衣だった。すっとぼけ手を離す。涙も帝先輩も私服なのに。先輩を見上げる。僕は困った顔をしてたんだろう。いつものように頭をポンポンと撫でて、出ていった。
そのしぐさにドキンと胸が高鳴る。
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