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実「ごめん。」
キスされた。驚きすぎて、目を見開く。
そっと両手を引かれ、立たされる。
実「今日は勉強会やめよう。こんな状態じゃ、できないだろ?…送ってくよ。」
涙に勉強会なしのLINEをして、実くんに連れられて帰路につく。ずっと手を繋いで、呆然としている僕を送ってくれる。
こんなんじゃダメだ。でも、今は動けなかった。
家の前につく。
実「大丈夫か?」
返事もできなくて、実くんを見上げる。
どうしよう、どうしたらいいの。
実「雪。大丈夫だから。今、返事はいらない。急がなくていいんだ。…今日は色々ごめん。でも…今日伝えたことは本当の気持ちだから覚えててほしい。困らせて、ホントにごめんな。」
僕の両手に額をつけて、何度も何度も伝えてくれる。こんなに想ってもらってるなんて知らなかった。僕こそ気づかなくてごめんなさい。
雪「…今日は送ってくれてありがとう。僕も泣いたりして、ごめん。ちゃんと考えるから…。」
僕はなんとか笑顔を作ろうとする。
ぱっと顔を上げて、実くんは笑う。
本当に素敵な人だ。
実「…うん。ありがと。じゃ、今日は帰るな。」
そう言って、手を離し帰っていく。
その姿をぼーっと見送る。
明日から土日。考える時間はたくさんある。
混乱したままの頭で部屋に入り、ベッドに倒れる。
今日1日を振り返る。すると涙が流れる。
情緒不安定ってこういうこと言うのかな。こういうときどうしたらいいんだろう。
携帯を見ると涙からLINEがきてた。
『勉強会ないのー!?雪に話したいことあったのに!あとで、家に行ってもいい?』
今日は涙に会いたくなくて、返事はしなかった。
そのまま僕の意識は落ちていった。
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