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帰り道。
実「…なんかごめん。」
雪「なんで?」
実「いや、余裕なくて…。そんな辛い顔させるつもりなかったんだけど…。」
僕どんな顔してるの?
頭をポンとされる。
これもなにか違う。
実「…先輩見たら、我慢できなくて…。」
雪「…。」
実「…待つって言ったのにな。」
苦しそうな顔した実くんがいる。
実くんの方が辛そう。
僕は実くんを傷つけてる。
こんなに優しくて、いい人を。
駅につく。
雪「…実くん。ここまででいいよ。家まですぐだから。」
実「でも…。」
雪「大丈夫。…少し考えたいこともあるし。」
実「…そっか。じゃあ、また明日。」
帰ってく背中を見つめる。
ベッドの中で丸まる。
考えがまとまらない。
早く答えを出さなきゃ…。僕のためにも、実くんのためにも。
涙「…雪。」
びくっと身体が揺れる。なんで?
あぁ、そんなに時間がたってたか。
涙「ねぇ、雪。えっとその…実と付き合ってるの?」
僕は答えない。
付き合ってない。でも、わからないんだ。
涙「…なんで黙ってるの。ねぇ、雪!」
雪「…涙には関係ない。」
イライラをぶつけるように答える。今は余裕がない。
涙「関係なくないよ!だって…ずっと一緒にいたじゃん。親友でしょ!なんでそんなこと言うの!!心配しちゃダメなの?」
声が震えてる。泣いてる?
でも、僕は答えない。
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