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雪「ねぇ!雪!!」
身体が揺すられる。
もう、放っておいて。バッと布団から飛び出す。
雪「放っておいてよ!なにも知らないくせに。実くんと付き合ってたらなに?なにか涙に関係ある!?皆に好かれてる涙には関係ないよ!!」
涙は固まる。それからドンドン痛そうな顔になって、涙を流す。
涙「…教えてくれないとわからないよ。雪なんてもう知らない!!」
バンと部屋から出ていく。
…酷いこと言った。わかってる。
でも、今はホントに余裕がないんだ。ごめん、涙。
翌日は学校を休んだ。お母さんも昨日の喧嘩に気付いてた見たいで、なにも言わなかった。
トントン。部屋をノックされる。
誰?お母さん?
?「雪ちゃん、入るよ。」
…帝先輩。ガチャとノブが回る。
帝「大丈夫?涙が心配してた。」
雪「…。」
帝「ねぇ、雪ちゃん。今どんな気持ち?俺は多分…今の雪ちゃんにとって、一番相談しやすい相手でしょ?」
えっ、と顔をあげる。
向かいに真剣な顔の帝先輩がいる。
帝「今、涙にも皇にも、昨日の…実くん、だっけ?誰にも頼ることできないんだよね?」
どうして?帝先輩がそっと目元をなでる。
僕は泣いていた。
雪「…帝先輩。」
帝「話してみない?聞くぐらいは俺にでも出来るよ?」
にこって笑ってくれる。
安心させようとして。
雪「…帝先輩。僕はどうしていいかわからない。自分のこともわからなくて…。」
それからは泣いてしまって、言葉にならなかった。
隣に座って、落ち着くまで背中を撫でられた。
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