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雪「…すみません。」
やっと落ち着いた。
帝「うん。ゆっくりでいいからね。思ったことそのままでいいから。」
ぽつりぽつりと話す。
さっきの口振りだと多分バレてるだろう。
皇先輩が好きだと思ったこと。
涙に告白しているとこを見たこと。
実くんに告白されたこと。
恋愛感情がわからなくて、自分の気持ちもわからないこと。
うんうん、と帝先輩はなにも言わずに聞いてくれた。
雪「実くんといると楽しくて、気楽に過ごせて、緊張なんて全然ないんです。本当に優しくて、大切にしてくれた。」
帝「そっか。」
雪「皇先輩のことを考えると胸が痛くて、たまに温かくなって…。そばにいると少し緊張するんです。楽しいけど、きゅうっと胸がつまる…。皇先輩も本当に優しい人で。僕を見てくれることはないだろうけど…。」
帝「うん。」
雪「どっちが好きなのか…。」
帝「…僕はね、涙といると緊張するよ。カッコよく見てほしくて、良いとこ見せたくて。好きでいてほしくて。」
雪「え…。」
帝「でも、それ以上に嬉しくて楽しい気持ちをもらえてる。でも…喧嘩もするし、それで悲しくもなる。だからといって、離れられない。」
それって…。
帝「でもね、これは俺の話だ。ねぇ、雪ちゃん。考えてみて。嬉しいときも悲しいときも、一緒にいたいと思えるのはどっちかな。一番大切にしたいのは誰?」
静かに確かめるように尋ねられる。
嬉しいときも悲しいときも…。
一番大切にしたい…。
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