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嬉しくても、悲しくても…。
悲しくても?
実くんとは楽しいばかりで、悲しいことはなかった。だから、励まされた。目の前で大泣きしたけど、あれは実くんのことじゃない。
でも、皇先輩とは楽しいときはドキドキしながら傍にいた。涙が好きだと知っていたけど、悲しかったけど、離れる選択はできなかった。それでも傍にいたいと願った。
あぁ、僕は…やっぱり…。
帝「涙止まったね…。整理できそう?」
雪「……はい。僕は…。」
帝「うん。その先は本人に言ってあげなよ。」
雪「それは…約束できないけど。帝先輩、ありがとうございます。」
やっと、心から笑えそう。
涙にも、あの人にも謝らなきゃ。きっと気にしてる。
帝「案外うまくいくと思うけどね…。」
それはどのことを言ってるのか。
聞いても教えてくれなかった。
それからはお礼も兼ねて、お昼ご飯を作った。
美味しいと言って全部食べてくれた。
帝「じゃ、僕は午後から授業に出るよ。急に押し掛けてごめんね。」
雪「いえ、わざわざありがとうございました。授業サボらせて、すみません。」
帝「雪ちゃんが悲しんでると、涙が沈んじゃうんだ。俺も自分のためだから、気にしないでね。」
手を振って帰っていった。
本当に僕の周りは優しい人ばかり。
帝先輩は僕を心配して来てくれた。でも、僕が気にしないように考えてくれる。
僕はこの優しさに応えなきゃ。
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