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79.
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保健室について、黙って椅子を指差す。
皇先輩は眉を下げたまま座る。
体温計を渡し、水を入れに行く。ついでにタオルもとって、薬を準備する。
手が熱かったから、熱が出てると思う。普段の皇先輩の手はこんなに熱くない。少し冷たくて、心地よい手なのに。
保健室の先生は留守だった。
38.5℃
よくこの熱で普通に過ごしてるな。
雪「………皇先輩。」
やっぱり。目線は会わない。
そして、熱のせいか、今の状況のせいか、汗が落ちる。
雪「どうして、こんなに熱がでてるのに放っておいたんですか!!倒れたらどうするんです!!それに心配するでしょ!!」
声を荒げる。
誰かが怒らないとこの人は反省しない。
自分のことを少し、大事にしていない傾向があるから。
皇「………これぐらいなんともない。」
目線はまだ合わない。
僕が怒ってるのはわかっているらしい。
自分が悪かったと自覚しているのに、素直じゃない。
雪「どうせ誰にも気づかれないと思ってたんでしょう?なんともないわけないでしょ。僕や涙や帝先輩が同じ熱があったらどうします。心配になりませんか?どうでもいいですか?」
皇「いや…それは…。心配する…。」
雪「はぁ、皆そうなんですよ。皇先輩のことだって心配します。ほら、薬飲んで少し寝ててください。保健室の先生探してきますから。もし熱が下がらなかったら、早退してください。」
そう言って、薬と水を飲ませてベッドへ押し込む。
額に水に濡らしたタオルを置いて、立ち上がろうとする。
パシッと手をとられる。
ドキッとした。
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