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宇宙からの訪問者
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ハルはきっと、笑ったらもっと可愛いんだろうな。とか、泣いたらどんなに綺麗なんだろう。とか、最近ずっと考える。
ハルに観察され始めてから3日がたった。
俺はバイトをしているわけでもなく、ただ趣味の写真を撮影するために駅へ行ったり、公園へ行き夕日に照らされている遊具を眺めたり。
いつもと変わらない3日間。それでも、どこかが違っていた。
いつもなら話しかける人すらいなかった日々。そこに1人入るだけでどんなに愛おしい時間を過ごせているか、とても考えさせられる。
「奏汰は、どうしてそんな悲しい表情をしているの」
「え?」
「俺を見ると、いつもどこか辛いような表情をするから」
「うん、そうだね、それは、」
正直そのことについてあまり話したくなかった。
何を思われるかわからなくて怖い、
まぁこの前にハルは俺の記憶を見たから大丈夫だろうけど。
それでも、まだ感情のわからないハルにぶつけるのが嫌で、
「なんでもないよ」
嘘をつく。いずれバレるとわかっている。
もうあんな思いはしたくないから、ただ逃げるだけ。
逃げないといけない気がした。
ハルに恋心を抱いてしまったから。そんなのダメだってわかってる。
でも、宇宙からの訪問者に少し期待をしたい。
そう願うくらい許してくれるよね。
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