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キス
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写真を撮り終え最後の目的地に移動する。
「ここは?」
「奏汰さんが俺の誕生日の時に指輪をくれた場所」
「ここかぁ」
もう19時過ぎこの時期は真っ暗。
少し怖い。
「やっぱり、思い出せない?」
「え?」
「俺のこと、思い出してほしくてここまで、来たんだ、でも奏汰、本当に覚えてないんだね」
「あっ、ごめん春くん、思い出せなくて、」
何故か涙が溢れ出してきて奏汰を困らせたくなくて奏汰に背を向ける。
「ぅっ、奏汰が・・・っぅ謝ることじゃないんだよ・・・・・・でも本当に思い出して欲しくて・・・っ俺にとって、幸せだなぁって、思った場所に奏汰を連れていったら、・・俺のこと、思い出してくれるかもしれない、って思って、う"っ」
「ごめん」
「俺、本当は奏汰に、会いたくなかったんだっ、俺のこと、ぉ、覚えてない奏汰と会ったらっすっごく、っぅ胸が苦しくって、イヤだったの!!
イヤだったっ苦しくて、怖くてっ」
こんな状態でキスなんてできない。
自分でも何を言っているのかわからない。
けど感情が高ぶって奏汰に色々ぶつけてしまっているのがわかる。
だけれど、俺は泣き続ける事しかできなかった。
「こっち向いて」
「ううん、」
俺は首を振り拒否する。
すると、奏汰が俺を後ろからそっと抱きしめてくれる。
「春、くんごめんね、本当にごめん。こんなに悲しませて、一人にしてごめん。」
温もりが伝わって一旦冷静になり、息を整える。
でも、俺にくん付けして呼んでいるのを聞くと、距離感を感じて悲しくなる。
「春くん、こっち向いて。」
俺は涙を袖で拭い息をフッと出してから抱きしめられた状態で奏汰の方に少し顔を向ける。
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