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奏汰が止めに入ってからりょうさんは少し小さな声で話し始めた。
「はるくんさぁ、奏汰の何知ってる?」
「え?」
さっきの口調とは違う少し怖い口調で話しかけてくる。
「あんまり知らないんじゃない?奏汰のこと。
そんなんじゃ呆れられるよ?」
「いや、あの」
「別にね?脅してる訳じゃないけどさ、はるくん何歳?すごい若く見えるけど、高校生?」
「いいえ、」
人間の年齢にすると大学生位だと聞いた。
「そっかぁ、大学生?か、行ってるの?学校は」
「行ってません。」
「そっか、まぁどうでもいいけど、奏汰を困らせる様なことはしないでね
奏汰を1番知ってるのは俺だから」
「・・・・・・」
凄く雰囲気が変わってあの穏やかそうな空気が一気に冷たく冷めた。
沈黙がつづく中、俺は俯いてりょうさんに何も言い返せないことにとても腹が立った。
すると、
「俺さ、彼女に振られてここ来たって言ったけど・・・あれ嘘」
「え」
「本当は奏汰フリーになってないかなって思って狙いに来たの」
「・・・」
「そしたらはるくんいるからびっくりしちゃったよ
俺が奏汰を奪い取ってあげる」
そう言った後少しりょうさんの方を見ると先程の笑顔に戻っていた。
怖い。凄く怖い。
奏汰の何知ってる?と聞かれた時、少しわからなくなった。知っていることもあったけど、誕生日だって知らないし。好きな色、好きなもの、嫌いなもの、なんてほとんど知らない。
知っているのは、いちごが好き、写真を撮るのが趣味、鈴さんが、死んでしまった、ということだけ。
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