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苦手な
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俺は中学生の時に奏汰を好きになった。
あまり目立つタイプじゃなかった奏汰にしつこく話しかけようやく仲良くなることができたあの日は嬉しかった。
中学の入学式の時、同じクラスの不思議な子に一目惚れ、王道みたい、男女だったら。
それがね、男同士なんだもん。すっごい怖かった。せっかく仲良くなったのに俺1人のされちゃうって。
他に仲良い友達はいた。けど、そいつらとは違う好きっていう感情が芽生えて、自分が気持ち悪く感じた。
無理だとわかっていても好きっていう感情がどんどん増してきて。だから、奏汰にとって1番仲良い友達をキープすることにした。そうしたら、いつか好きになってくれると思ったから。
でもそんなんじゃ上手くいかなくて、と悩んでる時、奏汰が俺にゲイだと話してくれた。
その時は嬉しかった。
奏汰のほかのやつらが知らない事を俺はなんでも知ってる。俺は奏汰を手に入れた、と思った。
ある日、普通の友達と話してる時、ある噂を耳にした。
「あいつ、ゲイらしいよ」
「ゲイって男が男を好きなんだろ?気持ちわりぃ」
「俺ら掘られるんじゃね?ケツ守んねえと!!」
冗談で言ってても、これだけは許せなかった。
その話の中に俺はいた。けど、その話を止めないやつらが、俺に話しかけてくる。
「お前あいつと仲良いよな?何か知ってんじゃねーの?」
「そーだよ、やっぱゲイなん?」
「お前掘られてたりして」
笑いながら意味のわからない事を言われて、凄く腹が立った。
俺は何を言われてもいいけど、奏汰が言われるのは凄く嫌だ。奏汰を守らないと、奏汰を俺が守らないと。
そう思ったら、放課後その話をしていたやつらをぶん殴っていた。暴力で解決されることじゃない。しっかり、奏汰に謝って欲しい。絶対許さない。絶対、永遠に許さない。
そんな事を考えながらあたりを見渡すと、暗闇の中に友達が転がっていた。
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