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苦手な
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はるくん、どこまでもいい子だ。
多分俺が苦手な子って、はるくんみたいな、正しい子なんだな。
今まで出会ったことの無かったほど素直な気持ちを持ってる。
俺なんかいろんな面で負けているのかもしれない。きっと、はるくんにとっては勝ち負けなんてないと思うな。
俺よりも奏汰を知っている存在。
ここに来るまでは奏汰のことは俺が1番知っているって思ってた。
けど、はるくんがいて、今まで見たことのない表情の奏汰を見せてくれるのはいつも俺ではなくて、はるくんだった。
俺が知ってる奏汰はいない。良い意味で奏汰は変わったと思う。短い日数の中でも分かるものは多かった。
奏汰にとって俺はただの友人で、それ以上でも以下でもなくて。そこにいる俺はそれ以上の関係になりたいと思ってたから、辛かった。
もう、諦めついた。
奏汰には・・・はるくんがいる。
「俺は、奏汰が好きだったよ」
「・・・うん」
「中学の時からずっと、今まで好きだった。
けど、今の奏汰見てたら、変わったなぁって思って。あっ、良い意味でだよ!
それで、今の奏汰にははるくんがついてるから安心だって思ったら、諦めついちゃった。」
俺がそう言ってから少しの沈黙が続き、奏汰が口を開く。
「ありがとう。こんな俺を好きになってくれて。」
「奏汰はすごいよ・・・奏汰には俺にないものいっぱいあって、すっげえ毎日が楽しくなったんだよ、奏汰といたら。俺なんかより、もっとすごいし、色んな才能だってあるし。羨ましかった。
中学の時初めて、綺麗な人に出会って。あの時嬉しかった。こんな人がいたんだ、って。俺、この人のためなら何でもできるって思った。
こっちこそ、俺に美しさを教えてくれてありがとう。本当にありがとう。」
そう言い終えると涙が目から出てきた。
「泣くなよ、俺も泣けてくるから」
「なんだそれ」
俺達は泣きながら笑いあって
俺の片思いは終了した。
はるくんは苦手なタイプだけど、いい子だし、そういった子のお陰で俺は多分変われる気がする。
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