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友達[野原雄大&佐々木千尋の場合]
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女王のような男子生徒は泣いてる男の子に罵声を浴びせていた。
馬鹿だな……、と思い見ていたら、隣にいた野原が突然走り出して、泣いてる男の子を庇うように立った。
雄大
「おい!やめろ!!こいつが可哀想じゃないか!」
「なによ!あんた関係ないでしょ!?いいから退きなさいよ!」
雄大
「退かない!」
「……ッ!仲良しごっこしてんじゃないわよ!!そういうの気持ち悪いのよ!!」
野原の頑固さに負けたのか、男子生徒はふんっ、と言ってその場を立ち去ってしまった。
何処までも女王様だなと優人は1人思っていた。
さっきまで泣いていた男の子の涙は自然に止まっており、男の子は雄大に向かって何回も頭を下げた。
?
「あの……、ありがとうございました……!」
雄大
「大丈夫だったか!?」
?
「は、はい!本当にありがとうございます!あ、僕は佐々木千尋(ささきちひろ)って言います!
僕、昔から貧弱で、それに体も小さいし。
女みたいっていつも言われてて……」
雄大
「そうか?女っぽい所なんてないと思うぞ!
それに、女っぽいって言ったら、こいつの方が…………
ギャアアアアア!!」
女っぽい、と俺に指を指してきたので、その指をゴリゴリと押してやった。
千尋
「僕!そんな事言われたの初めてです!
あの、その、もしよければ…なんですけど……僕と、と、とと、友達になってください!!」
恥ずかしながらも自分の想いを伝える佐々木に対して、野原は鯉のように口をパクパクさせていた。
雄大
「とも、ともだ、ち、、ともだち、友達!!」
友達と言う言葉に、嬉しさがぐーんと、湧き上がってきたのか、雄大はにやけた風に笑っていた。
優人
「野原、キモイからその笑みやめろ」
雄大
「なっ!?いいだろ!嬉しいんだから!
千尋って言ったっけ、その、俺でよかったら、友達になりたいっていうか、その、あの、、」
野原は頬を少し赤らめ、頭を掻きながら伝えた。
今までの経緯知らないやつからみたら、まるで告白をしているような、そんな感じだった。
千尋
「本当!?嬉しいな……」
佐々木はぴょんぴょんと跳ねながら喜んだ。
優人
「よかったな、野原」
雄大
「あぁ、ありがとな。優人」
雄大はニッコリと歯を出して笑った。
優人に対しての苗字呼びも、いつしか名前呼びになっていたことが、少し嬉しかった優人だった。
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