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待ち人
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《カランカラン》
ベル付きのドアを開けると、どこまでも自然で柔らかで優しい香りが漂ってくる。
「お客様、お一人でしょうか?」
優人
「あ、いえ。山崎幸恵という人の連れです」
そう言うと定員さんは、承知致しましたどうぞこちらへ、と親切に案内してくれた。
定員さんの後について行くと、この世のものとは思えない、真っ赤なキムチ鍋を水も飲まないで、ただただ美味しそうに食べている女性がいた。
長い黒髪を一つに束ね、オフショルダートップスにハイウエストデニムといった、程よい露出感にアクティブな印象もあり、くるぶしが見えるクロップド丈に、厚底サンダル。足がすっきり長く見える。
まるでどこかのファッションモデルのような感じだった。
外見とは似合わないその姿に、周りにいる客は驚いてざわついてた。
優人
「……、相変わらずの辛党だな…」
幸恵
「うっさい。っていうか、何十分私を待たせるつもりだったわけ?」
足を組み、テーブルに頬杖を付きながら目尻を険しく吊り上げ、優人に問う。
とても綺麗な顔立ちなのに、かなりの毒舌で、少し残念さを感じる。
優人
「色々あったんだから仕方ないだろ」
幸恵
「色々って何よ。まさか、あんたハーレム展開に突入したとかいう訳?」
優人
「…キモいこと言うなよ」
幸恵
「次キモいって言ったらその眼鏡カチ割るからな。
とにかく、早く座りなさい」
優人は椅子を引き、はぁとため息をつきながらゆっくりと座った。
女は束ねてあった髪を解き、はらりはらりと素顔に乱れる。
その光景に、周りの人達は耳の付け根まで顔を真っ赤にした。
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