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決意
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扉の横に設置されたインターホンを、小泉が震える手で押す。
《ピンポーン》
奏夜が出てくるのを待ちながら、優人と小泉は扉の前でずっと立っていた。
だが。何分待っても奏夜が出てくる気配がなかった。
小泉
「もういいよ。帰ろ」
小泉は優人の服の裾をきゅっと掴み、苦笑いした。
目に涙溜まってんじゃねーか。ったく。強がりすぎたっつうの。
優人
「いいわけないだろ。ちゃんと伝えるんだろ、瀬戸川先輩に」
小泉は先程よりも強く、裾を握った。
そして、下を向いたまま小さな声で呟いた。
小泉
「でも奏夜は………」
優人
「瀬戸川先輩がそんな人じゃないって、お前が一番知ってるだろ。大丈夫。俺がついてる」
小泉
「…………ほんと、あんたなんかに相談した僕が馬鹿だった」
呆れた声ではない。
まるで泣いてるかのように、掠れた声で。
もう一度インターホンを押そうとした時、後ろから声がした。
奏夜
「山崎と遥か?どうしたんだお前ら、俺の部屋の前で」
私服を着こなし、手にはついさっき買ったであろう食材が袋に入っていた。
優人
「瀬戸川先輩。話があります」
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