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平凡な毎日
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俺の教室はBクラス。一般生徒が通う普通のクラスだ。
何気ない話が飛び交う中でさえ、俺だけ一人で窓の外を眺めてる。...何を間違ったのか。
入学式から数ヶ月、友達というものがこのクラスでは全くできなかった。もはや空気レベルにまでも達した俺は授業で先生にも当たられないくらいのボッチになった。
明るくなろうと思えば思うほど、めんどくささが増してくるばかりの自分に、少々諦めがついていた。
そんな俺とは全くもって逆の隼人は、特進Sクラス。
学力、体力とすべて優れた隼人にはきっと特進Sが当たり前なんだろうな...。この学園の試験も余裕でパスしたとか。
Bクラスの教室は西側の校舎にあり、特進Sクラスの教室は東側の校舎にある。廊下や灯りの作りは東校舎と似ているが、教室自体はやはり1-Sの方がきめ細かく、豪華に作られている。
まぁ、そりゃそうだよな。一般人と金持ち。どっちを豪華に作るかって言われたら誰だって金持ちを選ぶわ。
噂では、教室の床は全て大理石。約一千万もするシャンデリアに、授業を受ける時の椅子や机も、大学のようなメモ台付きタイプのミーティングチェア。
それに比べBクラスは普通の高校と同じように内装されている。
今年度から開始された交流計画も全て理事長が考え込んで、約数ヶ月でこの校舎を立ち上げたとも噂されている。
ちなみにクラス分けについては誰もが納得のいく金持ちならではの説明だった。
特進Sクラスは
頭脳明晰、勇猛果敢(ゆうもうかかん)、由緒正しき名家。
この"三項目"が全て当てはまるのがSクラス。
頭脳に関しては学年十五位以内。
勇猛果敢。つまり勇ましくて力強く、決断力があるということ。運動神経が抜群の人も考慮されている。
由緒正しき名家。この項目だけはどうしても外せなかったらしい。なんと言ってもこの学園は元はお坊ちゃま学校。クラスの頂点に立つのはやはり名家の方が良いらしい。
次にAクラス。
頭脳明晰、勇猛果敢、容姿端麗、由緒正しき名家。
この"二項目"が当てはまるのがAクラス。
推薦を得ているの生徒がほぼ全員なので、頭脳に関してはSクラスに負けていない。
俺ら一般人がいるBクラスは普通の人が通う教室。
教師陣も普通の高校にいるような人ばかり。
スポーツ推薦で入った人もいたらしいが、やはり学力では追いつけないためBクラスになってしまった生徒もちらほらいるらしい。学校の設備を除けば、至って普通の教室だ。
……そして最後にCクラス。
学校で何かと問題を起こした生徒などが集まっている教室。
一度入学式で目にしたことはあるが煙草を吸っていたり、ピアスを何個も開けたりと高校生とは到底思えなかった。
勿論この学園はお坊ちゃま学校であるため、Cクラスの中でも大手企業の社長の息子であったり、超の付くほどの秀才がいるらしい。
寮についても大体校舎と似ている。
学園の敷地内にはあるものの、やはりでかい。
寮自体は一緒だが、部屋のデカさがまるっきり違う。
一度隼人の部屋に行ったことあったが、あれは高級ホテルかなにかなのかと目を疑ったこともあった。
住んでいる階も、金持ちの人は六~十二階、俺たちは二~四階という非常に上下関係がくっきりした区分になっている。
不良の皆さんは違うところに寮があるらしく、俺自身も実際には見たことが無い。
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キーンコーンカーンコーン
「今日の授業はここまで。復習を怠らないように」
午前の授業が終わり、昼食を取るため大半の生徒が食堂へ移動していた。
「腹減った~」
「今日何食べよっかな~」
「俺はやっぱり親子丼!」
「お前本当に親子丼好きだな」
などと、男子生徒にはありがちの会話の中、俺一人食堂とは別方向の場所へ手提げを持ちながら向かった。
「山崎くん、また食堂の方に行かないでどっか行っちゃったね。いつも何処でご飯食べてるんだろう……」
小さな声で言ってるつもりなんだろうけど全部聞こえてるんだよな...。心にグッとくるから俺に構わないでくれ。
どうせ俺はクラスの中で一緒に飯を食べる相手もいないボッチですよ。
...なんてことを考えていたら屋上の扉前に着いてしまった。
ギィィ...
少し古びた扉を開ければそこには絶世の美女、ではなく美男がテーブルに腰をかけてた。
隼人
「…! 優人、待ってたよ」
髪をなびかせながら、俺の名前を透き通った声で呼んだ。
優人
「お前、本当に来るの早いな。授業ちゃんと受けてるのか? 」
隼人
「酷いな~これでも一応特進クラスだよ」
優人
「そうだったな」
いつもと変わらない会話に、どこか安心したようにそっと胸をなでおろした。
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