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新着メール
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ニャア
柔らかい肉球でおでこをぽんぽんと叩く。
んー、と言いながら頭を撫でてやると頬に顔をすりすりと擦り付けてきた。同時にチリンチリンと首輪に付いている鈴が鳴る。
優人「かあいい」
寝起きで少し呂律が回ってない優人は口角をぐっとあげらながら笑った。
その顔は綺麗とは言い難い。強いて言うなら変質者のような、そんな笑顔。
流石の猫もその顔に引いたのかどこかへ行ってしまった。
駄目だ眠い。起きたくない。
夏に近づいているとはいえ、一人で寝ているのはとても寒かった。
クイーンサイズのベッドに一人。毛布にくるまり、背中を少し前かがみにして体を縮めた。
優人はもう一度深い眠りについた。
・
・
ンニャアー!!
頬をひっかかれて起こされるのはこんな最悪なのか。
重たい瞼をなんとか開きながら目を擦った。
カーテンが開いて少し光がもれていた。
猫はベッドから飛び降り、日が当たる場所で気持ちよさそうに吐息をたてて寝た。
優人
「もうそろそろ隼人が来る頃だろうから支度しなきゃ」
完全に目を覚ました優人はパジャマを脱ぎ、制服を身にまとった。
台所へ行き、エプロンを付け弁当を作る準備をする。
卵を片手で割り、お椀に中身を出し箸で軽く混ぜてフライパンの中に乗っけた。香ばしい香りが漂ってくる。
慣れた手つきで、卵を重ねていき、綺麗な縦長の卵焼きを作った。
冷凍庫の中から冷凍食品を取り出しまとめて電子レンジに入れた。その間に優人は炊飯器からご飯を取り出し適当弁当につめた。
優人
「もうご飯できてるのか。いつもより早いな」
チン!
電子レンジから少し熱い容器を取り出しまた適当に弁当ヘつめた。
優人
「上出来」
蓋を閉め、手提げにいれる。
優人
「朝から弁当作るとか、死ぬ」
母親の苦労が分かる。
そんなことを考えながら手提げを鞄の中に入れ、椅子に座りながら隼人を待っていた。
・
・
......が何分待っても隼人は来なかった。
優人
「どうしたんだ隼人のやつ。いつもならこの時間に来るの…に……
……ちょっと待て...、今...何時だ?」
優人は近くにあった時計を手に取り、じっと見つめた。
時計は、午前十時を指していた。
だから来ないはずだと理解し、スマホのメールボックスを確認する。
そこにはやはり、昨日届いたであろう、隼人からの新着メールがあった。
差出人: 隼人
宛先:優人
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ごめん!
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明日弓道部の朝練があるから、一緒に登校出来なくな
っちゃった!
本当にごめん><
優人
「......まじかぁ...」
いつもと変わらず無表情だが、内心はかなり焦っていた。
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