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初めて見せる笑顔
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猫にも引かれたあの笑顔でこの場を乗り切れるかどうかだな。
まぁ頑張れ、俺...。
雄大
「おいっ! 聞いてるのか!! 」
覚悟を決めて顔を上げる。
見えたのはやはり雄大の怒った顔だった。
顔が真っ赤にさせて。近くにいる生徒会の奴らも俺をバカにしたような顔をしてる。
隼人やかっきーも心配していて何か言いたそうな顔をしている。
大丈夫。きっと大丈夫。
何度もその言葉を自分に言い聞かせ、優人は少し口角を上げ、優しげな瞳で笑った。
そこにいた全員が驚いたように口をぽかんと開ける。
よし、俺のキモスマイル効いた。隼人と華月には悪いことしたな...引かないでいてくれよ...。
皆が動揺しているうちに優人は
優人
「失礼しました」
と言い屋上から素早く逃げ去った。
生徒会も、隼人や華月も、何も言わなくても優人の笑み一つで今の心のさまを見通すことができた。
・
・
にしても何年ぶりに人の前で笑っただろうか。
ってなんか病んでるみたいじゃねーか。
小さい頃はよく気持ち悪いといじめられたな...。
…随分昔の事思い出したな。
生徒が行き交う廊下で立ち止まり、外の太陽を見つめた。
そしてまた、全力で廊下を駆け抜けた。
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