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友達だから [東雲隼人side]
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野原くん、すごい怒ってるな…。
こういう時僕が助けられたらいいのに。
本当情けないな。
眉間にシワが寄り、拳に力がこもる。
野原くんに生徒会の人達が優人に罵声をあげてる。
やめなよと、声をあげようとした時。
それは、一瞬のことだった。
あの優人が。
笑った。
突然の事で声が出なかった。
あれ。僕何言おうとしてたんだっけ…。
言おうとしたことがぱっと消えたように。何も考えることが出来なかった。
わからない。けど、
何この気持ち。
胸がどっくんどっくんと鳴り止まない。
制服越しに胸を握り締めた。
今はまだ暑く無いはずなのに。なのになんでこんなに顔が熱いのか。
胸の鼓動だけが耳に響き渡る。
僕は優人を……。
友達にこんな感情を抱いて良いのだろうか。
友達だから大切にこの感情を閉まっておきたかったのに。
優しくて。頼もしくて。
色が白いあの華奢な手も、眼鏡の奥に見える揺るがない瞳も。
全部全部。
好きだと気づいてしまった。
意識し始めた途端、また激しく心臓が鼓動し始める。
一瞬のことだった。
けど確実に。
何かが動き始めた瞬間だった。
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