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お泊まり[深川槙人の場合]
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優人
「お風呂あがりました」
ソファに座って本を読んでいる黒髪さん。
黒髪さんは俺に気づきいた後、本を机に置いて俺に近づいてきた。
槙斗
「もうあがったんですね。
…にしても、山崎優人には猫が似合いますね」
褒めてんのかバカにしてんのかどっちだ。
優人
「ありがとうございます。にしても、なんで猫なんですか?黒髪さん変わった趣味してますね」
槙斗
「私が猫だなんて。あなたのために購入したんですよ」
優人
「俺のため?」
槙斗
「はい。以前お邪魔した時猫がいたので猫が好きなのかと。違いましたか?」
よく見てるなー。
優人
「違うような違くないような、まぁ、とにかく俺のために買ってもらいありがとうございます。
とても可愛くて気に入りました」
本当に可愛い。
こりゃ男でも愛おしくなる。
槙斗
「そうですか。それはよかった 」
副会長さんの口角は自然と上がっていた。
何が嬉しかったのだろうか?
あ、
優人
「そういえば、話とは?」
副会長さんはにやけた顔から少し真剣な顔になり、
槙斗
「私達が屋上で言ったこと、覚えてますか?」
あんなの、忘れなくても忘れられない最悪の思い出だ。
優人
「はい、覚えてます。ですけど、なぜ俺なんですか?
貴方達には野原がいたんじゃないんですか?」
槙斗
「そうですね…、強いていえばあなたの笑顔に惚れたからですかね、ですがそれだけが理由という訳ではありません。
あの夜、『叱ってくれた』から、というのもあります。
私達のことを叱るなんて庶民には到底無理なことですからね。それに、親でもあまり、というか全く私達を叱ろうとしませんでしたから」
優人
「……まぁ、とにかく理由はわかりました。ですけど、その、俺の笑顔に惚れたって、よけ意味がわからないです」
槙斗
「そのままの意味ですよ。あなたの笑顔は私の作り笑顔の何倍も素敵で、どんな高価なものよりも価値がある、なんて」
優人
「そんなこと言ったら、黒髪さんの笑顔の方が素敵ですよ。作り笑顔よりも何倍も何倍も輝いている」
そう言うと黒髪さんは驚いた顔をしてからまた、笑った。
槙斗
「本当、庶民は何を言うかわかりませんね
それと、僕のことは『槙斗』と呼んでください!
黒髪さんって、なんか距離があって嫌です」
優人
「流石に親衛隊とか前で言ったりしたら殺されるので、親衛隊とかがいない時なら、いいですけど。」
親衛隊に殺されるのだけは勘弁だ。
槙斗
「殺される?よくわかりませんが、了解しました。
あ、そうだ……」
槙斗先輩は振り向いて俺に言った。
槙斗
「告白の返事、待ってますからね。優人。」
その時の槙斗先輩の笑顔は、月の光に反射されてとても美しかった。
周りに飾られている絵画なんかとは、比べ物にならないくらいに。
そういえば、名前呼びになったな。
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