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けど今日名幸に本を借りて真野は告白する決心をした
想いは単純で会話をしてもらえてたまらなく浮ついてしまった。
そして放課後…ばくばくと痛いくらいの胸を押さえ真野は約束の場所のドアを開けた
そこには去年と同じように名幸が先にいて窓を開けて外の景色を眺めている、しばらくその後ろ姿を見つめていると気づいた名幸が振り向いてちょいちょいと手招きをしてくれる
「もう桜は散っちゃってるね、残念」
本当に残念そうに名幸は窓を閉めて苦笑した、散る前に菜々陽をここへ連れてきてあげたかったからだ
毎年写真を見せては『綺麗だね』と目をキラキラさせて見ている菜々陽を入学したらここへ連れて来ることを決めていたのにうっかりしていた。
今年は雨が多かったからね、なんて名幸の言葉も聞こえず真野は勢いよく名幸の体に抱きついた
「好き…好きです…一年の頃から…初めてあった時からずっと」
「……真野君…」
名幸は真野を落ち着かせようと優しく肩をおさえ距離を取ろうとしたけれど真野は離れたくないと両腕に力を入れてそれを拒む、名幸は無理に引き剝がさないものの真野の体を抱きしめ返しはしない…それが答えなことくらいわかるけれど今になって諦めがつかない
「真野君、気持ちは嬉しいけど俺には大切な人がいるから」
名幸はいつもこう言って断ることは有名で、誰もその相手を聞き返しはしないものの弟の菜々陽を指してるのは予想がついている
真野は俯いていた顔を上げ名幸と目を合わせる。
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