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試験監督がやっときた。
俺に気付くかと思えば前の席で手を挙げるやつのとこで止まって…なんなの。気付けよ、この状況。
前の席のやつが親指で後ろを指差してやっと試験監督が俺の状況に気が付く。
焦って俺に近寄って、俺をその場から立たたせる。
「まだ、吐きそう??」
その言葉にこくりと頷くとトイレに連れて行かれて、またトイレで吐いた。
4回目。
それなのになんで吐けたんだろう。
吐くものなんてなかったのに。
個室からでると試験監督が「保健室受験しようか。」とかいうからそれに頷く以外なく保健室に連れられる。
ぐちゃぐちゃになっていた制服を見て、保健室の先生が着替えを渡してくれた。
それが黒川先生との初めての出会い。
カーテンの奥で着替え、ぐちゃぐちゃになった制服は洗ってくれるっていうから好意に甘えて先生に手渡した。
指示されて保健室に置かれた机に座る。
その机は教室のとは違う、テーブルのような机。新しい試験用紙と答案用紙が用意され、目の前に置かれる。
「試験時間は変えられないんだ、ごめんね。」
そう先生がいう。
それはしょうがないと思った。
悪いのは俺の身体、なんだから。
試験日だというのに空気を読まなかった俺の身体が悪いんだ。
俺は何も言わずに必死に問題を読んで、問題を解いた。
時間は勿論足りてない。
けど、それはもう何も言えなかった。
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