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よくない予感は一瞬だった。
うつ伏せの状態からなんとか持ち上げた身体。
真っ白な枕がぐちゃぐちゃで間一髪で携帯を避けている。
何が起きたのか全く理解できずにぱちぱちと目を瞬かせる。
荒れる息、上下に揺れる背中。
ベッドマットの上に付いた手が震えてる。
がらりと扉の開く音、カーテンがざっと強めに開く音。
先生が帰ってきたのが分かる。
「月代くん!?」
先生が慌ててる。
前に倒れそうな身体を支えて軽く背を撫でる。
「まだ吐きそう??」
そんな言葉に自分の状況を理解した。
目の前に広がるのは自分が吐いたもの。
口の中の粘付きと味を自覚して気持ちの悪さが込み上げる。
「はっ、……ぅ……あ…………」
喉につかえる感覚。
零れ落ちる声。
苦しい……
「あぁ、もう汚れるとか気にしなくていいから……」
先生がそう言って背を撫でる。
やめて、触れないで
気持ちがいいのに気持ちが悪い
相反する思い、
びくりと背が跳ねるのと同時に汚れが広がっていく。
もう、ほんと、俺、何してるんだろう。
目がじわじわと涙で濡れて、視界が滲む。
いつまで俺は迷惑をかければ気が済むんだろう。
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