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人間、思ってもいないことが起こるとそれはまるで夢のようでふわふわと目の前に一枚硝子が張られたような状態に陥る。
それは現実か、夢か、
寝ても覚めてもそれは分からない。
分からないけどその状況だけを何度も辿って、その状況だけが変わらない。
見慣れた天井を見つめてぱちり、ぱちりと瞬き。
今日も今日が始まる。
何も変わらない一日。
あの日から変わったのは体調不良の原因が分かったということと、この体調不良からは逃れられないということだけ。
上体を起こしてはぁ、とため息。
今日は大丈夫。
無理なんかじゃない。
気休め程度にもらった薬で熱は下がったし、
体調がおかしくなっても誤魔化せる薬ももらったし、
きっと、大丈夫。
ベッドを降りて制服に着替える。
枕元に置かれた携帯が今更ながらにアラームを奏でる。
音を消し画面を見ると遙眞からメッセージが一件。
『今日はこれそうか??』
あの日から毎朝くるようになったメッセージ。
俺は何も言ってないのに、
お前は何をあれから感じ取ったというのだろう。
俺はお前に迷惑だけかけているのに。
『今日はいける』
そう打つとすぐに返ってくる返信。
『じゃあ、また迎えにいくから。』
あの日からお前は前以上に俺に過保護になった。
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