アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
7-3
-
何も変わらず渡された気休め程度の薬。
変わったことはやたらと丁寧にされた診察と血を採られたこと、次週にいれられた予約。
次は親と来てね、が最後の言葉だった。
診察室を出ると扉に手を掛けたままずるりとその場にしゃがみこむ。
いつもはただ話を聞かれて頷いて終わり、なのにそんなんじゃなく、首元触られたり、ベッドに横にされてお腹触られたり……いろんなことされて疲れた。
それが診察だとしても触れられることが気持ちが悪かった。
診察室にいた看護師さんがあわてて寄ってくる。
「月代さん!?」
辞めて、呼ばないでくれ、
自分の名前だからやたらと鮮明に聞こえるから。
寄らないで欲しい、
空気がかきまわされて嫌な空気が身体に当たるから。
看護師さんが触れる前に診察室前の椅子に座っていた遙眞が俺に寄る。
何でだろう、
今は人が嫌なはずなのに、こいつはすんなりと入ってくる。
「今、帰る??少し休んで帰る??」
「い、ま……」
遙眞にぎゅっとしがみつくとやっとのことで声を振り絞る。
「分かった。」といえば俺を抱きかかえて、看護師さんと先生に礼を言って受付を済ませると自宅まで送ってくれた。
自転車だと振動がキツいだろうから、と抱きかかえたまま。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
37 / 84