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体調なんて悪くないのに病院に来るなんて不思議な気分。
先週とは違って診察室に入ったのはひとりじゃなくて親同伴。
突きつけられた検査結果。
白血球、赤血球まではいいとして、よく分からない項目が並び、赤、青、黒の数値が隣に並ぶ。
コレが高くてコレが低い、
このような症状が、
結果、このような病気の可能性があります、
俺の頭が何もついていかない。
はぁ、とそれだけしか言いようがない。
隣に座る母親も頷くだけ。
そして、次の発言に凍りつく。
「現在、この病気に対する治療法はなく、進行も人によって違うので今後いつどのような状態になるかは想像しかねます。最悪、悪化のいとをたどり若くで死に至るケースもございます。」
何言ってんだろう、って思った。
病名ついたのに、疑いだとしても治療法がないってどういうことだろう。
今後どうなるか分からないってどういう賭けだというんだ。
他人事だと思って適当いいやがって。
そう思った。
思ったけれど何もやるすべはない。
気が付けば隣で母親が泣いていた。
なんだよ、それ
何の涙だっていうんだ
どうなるか分からないって、良くなる可能性もあるってことじゃないの??
最悪の場合、って先生は言ったじゃん。
なのに、お母さんは最悪な場合をとるんだ??
なんて、俺だって最悪や場合をとったのに、そう思うなんてどんだけ否定したいんだろう。
何を恐れてるんだろう。
いずれ人は死ぬというのに、
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