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家に帰ると静かな時間が流れる。
久しぶりの父親と母親が揃った夕ご飯。
いつもは揃えば勉強のことだのなんだので小言ばかりでうるさいくせに今日はやけに静か。
今日の出来事については父親には母親が説明をしたはずだ。父親の帰宅とともに母親がすすり泣きながら何かを言っているのを聞いたから。
父親はそれに対して何を思ったか分からない。
今だってただただ黙々とご飯を食べてるだけ。
勉強はどうなんだ、
ちゃんと授業でれているのか、
出席日数は大丈夫か、
体調はどうなんだ、
ちゃんと食べてるのか、
ちゃんと運動しろよ、
いつそのいつもの言葉がでてもおかしくない状態で父親はご飯を食べ進める。
俺が何かを言うべきなのか??
何かを切り出すべきなのか??
でも、なんて話せというんだ、
俺、死ぬかもしれない??
そんなの今更だ。
死ぬかもしれないなんてそんなのは今さら始まったわけじゃないし、死が近いなんて最悪な場合なだけで、結局はこのまま普通に過ごして平均年齢まで生きるかもしれない。
「ごちそうさま、少し出てくる……」
ご飯を残してそう言うと俺は外に出た。
いつもならみんなの食事が終わってない食事途中で立つこと、食事を残すこと怒られるはずなのに怒られない。
なんなの、それ、
……同情してるの??
辞めて欲しい、
夢のような出来事を現実にしないで
いつもはいつものままであって
何も変わらないことが、
それが一番平和、だから……
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