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月だけが照らす暗い道。
今の心境みたいだな、なんて思って笑ってしまう。
俺はどこに行くんだろう、
どこに向かうんだろう、
このまま闇夜に溶け込んでしまいたい。
そんな時に通り雨。
頭を冷やせと言わんばかりに。
ぽつりぽつりと降る雨がざぁーっと降る。
帰らなきゃ、そう思うのに帰りたくない。
「と、も??」
聞き慣れた声がした。
聞き間違えるはずがない、遙眞の声。
なんでお前ってこんなにもいつもタイミングがいいの??
なんで俺のこと分かってんの??
ほんとに、意味が分かんない、
声の方を向く。
傘を差した遙眞がそこに立っていた。
「風邪、ひくぞ……」
びしょ濡れになった俺を傘に入れてそう言う。
風邪ひいてもいいよ、
だって、そしたらまたお前が構ってくれるだろう??
どうせ、お前は俺を看病するんだろう??
「ひかねぇよ……」
濡れた身体で遙眞にぎゅっとしがみつく。
ごめん、遙眞、濡らして。
でも、許して、今はこうしてなきゃ、こうしなきゃ、目に溜まった水滴が零れ落ちそうでどうしようもないんだ。
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