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かちりとスイッチがオフにされる。
遙眞の傷跡に触れることなく、
自分のことに触れることもなく、
何にも触れないまま、遙眞の匂いがつきなぜか俺の身体にフィットした服を着せられて、濡れた髪は櫛とドライヤーで整えられていた。
「で、なんであんな雨の中歩いてたの??」
先に口を開いたのは遙眞。
ドライヤーのコードを巻きながら問いかける。
なんで、と言われても
なんで、ってことはないし
自分でも分からない
ただただ外に出たくて、外に出て歩いていたら雨が降った。それだけ。
「ねぇ…遙眞……」
俺は何を言えばいい??
俺は何を聞けばいい??
俺はどうすれば今が変わらない??
「なんでお前は俺を構うの??」
考えて問いかけた言葉はコレ。
今日のことには何も触れていない、いつも思っていた疑問。
だって、今日だっておかしいじゃん、
どうしてここまでするの??
俺にそこまでしてお前は何を得てるの??
「理由、ないと構っちゃダメか??」
ドライヤーを置いて頬に手が伸ばされる。
なんだよ、それ、ずるい……
そんなこと言われてダメ、だとか言えないじゃん、何も言えないじゃん。
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