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「また明日な……」
何も進展してないままに遙眞に家に送られて家に帰ってきた。
俺のことも、
遙眞のことも、
何も伝えず、何も分からないまま。
ただいまも言わず、部屋に入ってぱたんと扉を閉めると扉を背にそのままずるずると座り込む。
何を言えばよかったんだろう、
何が正しかったんだろう、
俺、死ぬかもしれないんだ、なんて言えばよかったんだろうか。
まだ未来は決まりきってないのに。
それを言ってどうするというのだ。
それを言うことで遙眞から同情をかって今以上にまた優しくしてもらうの??
どんだけ迷惑なやつだよ。
死ぬから俺なんてもう構わないで、そう言えば正しいんだろうか。
でも、そんな言葉で構わなくなるようなやつじゃないじゃん、あいつは。
どうやっても、俺がもう長くないかもなんてそんなの聞いたらあいつはいっそう優しくなって、いっそう俺を構うだけじゃん。
辞めてよ、
もう、辞めてよ、
遙眞の優しさが嬉しくないなんて言ったら嘘になる。
でも、今日みたいに、また何かあれば頼ってしまう。今日だって本当は外に出たのは、遙眞に出会うためだったじゃないか。
そうじゃなければどうして俺はあんな方向に足を進めてた??
無意識にあいつを求めてたんじゃないか。
時計を見て、遙眞と会えるかもしれないとかそんな淡い期待を抱いて外に出たじゃん。
いなかったらいなかったでそれもいい、とか思ってさ。
何が偶然だよ、俺が作り出した必然じゃないか。
頼りたくないとか、迷惑かもしれないとか思いながらも頼って迷惑かけてほんと、俺、何やってるんだろう。
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