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チャイムが鳴って授業が始まる。
自分の中では比較的元気なのになんでこんな所にいるんだろう。
前までは元気な状態で此処にいることなんてなかったから不思議な感じ。
抱きしめたクッションをむぎむぎ揉みながらぼおっと眺める。
「ねぇ、先生。」
眺めていた資料から目を離して先生が俺の方を向く。
「どうした??」
「先生って生徒全員の持病とか知ってるの??」
病院で病名を告知された後、親によって先生たちにはそのことが知らされた。
言わなくてもいいじゃん、とか思ったけれど親としては何かあったら、が嫌らしい。
いや、それは分からなくもないけど。
それから、優しい対応になった先生、何かと気にかけるようになった先生がいるのが釈然としない。
逆に保健室の先生と俺を目の敵にしていた先生だけは何も変わらなくてなんだかそれは安心した。
変わって欲しくなかったから、
変わられることで俺は別の俺になってしまうから、
「んー、まぁ??」
知ってるけど何か??みたいな調子。
じゃあ、遙眞のことも知っているだろうか、とか思ってしまう。
あの日以来、遙眞の傷跡には触れてないし、触れられることもできないのだ。
俺だけ遙眞にいろいろとバレて……いや、病気についてはまだバレてないけど、でも、何かあったはバレてるから、何か俺だけ知らないみたいで不公平だと思う。
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