アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
8-3
-
「遙眞……生水について知ってたりします??」
知りたいと思った。
遙眞のことが。
そこに俺を構う理由がある気がして。
「それを僕に聞いてどうするの??」
先生が返す。
そう簡単に教えてくれるとは思わなかったけどこんな返しが返ってくるとも思わなかった。怒ってるようでも責めてるようでもなくただただ俺を見てそう言う。
「……別に…………」
見つめる目から目を離すようにしてそう返す。
どうしたいか、
そんなの分からない。
でも、遙眞のことを知りたいのは事実。
あの傷に何か隠されている、そんな予感がしたから。
「月代くんのこと生水くんに伝えよっか。」
「……!?っ、それはダメっ!!」
クッションを投げて必死に叫ぶ。
それだけはやめて欲しい。
遙眞は何かに気付いてる。
でも、気付いているだけで何も知らない。
知られたくない。
遙眞は何も変わってないから、変わって欲しくないから。
この関係はずっと続けたい。
だから、ダメ。
「君がしようとしたことはそういうことだよ……」
そんな、言うわけないでしょ、と付け加えて先生が言う。
「そう、です、ね……すみません。」
ホッとするとともに胸がばくばくいってる。
バレたら、そう思うことが怖かった。
嫌だ、知られたくない。
この秘密はずっと隠し通したい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
47 / 84