アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
8-7
-
話している内容は剣道のこと。
勝ち逃げだとか、
戻ってこいよだとか、
お前とまた試合したいだとか、
きっといいライバルだったんだろうな、って思える。話からしてずっと前からの友達で昔の遙眞を知っている。
俺が知らない遙眞
こいつなら俺が知りたい遙眞を知っている気がする。
「でも、元気そうでよかったよ。」
遙眞の話し相手が目を細め優しい表情でそう述べる。
そして、その次の瞬間だった。
「和史(かずし)~、遙眞みつか、って、え!?夕ちゃん!?」
和史と呼ばれたのは遙眞と話をしていた男で手を振ってやってきたのは和史の連れ。
こいつも俺の知らない遙眞を知る人物なんだろう。
俺をじっと見つめ言った"夕ちゃん"
その言葉に遙眞が固まって、和史がそいつの口を塞ぐ。
「ははは…ごめん、ごめん……つい、その、えっ、と……見間違いも見間違い。遙眞の友達??」
口を塞ぐ手をずらしながら、しどろもどろにそいつが言う。あきらかに動揺してるし、和史も遙眞も怖い。
和史はそいつが何か言わないかひやひやしてるみたいで、遙眞は表面上は表情を作ってるみたいだけど感情がこもってない表情を見せている。
「どんな見間違いだよ、全然違うだろ??こいつ、灯(ともり)っていうんだ。俺はとも、って呼んでるけど……。で、こいつらは俺の中学までの部活仲間で和史と智瑠(さとる)。」
冗談辞めろと言わんばかりに空笑いをこぼして遙眞が告げる。俺と和史、智瑠はどうもと言わんばかりにぺこりと礼。
静かな時間が流れる。
さっきまで遙眞と和史が仲良さげに懐かしそうに話していたのが嘘のよう。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
51 / 84