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遙眞の後ろじゃないのはいつぶりだろう。
ぼおっと眺める窓の外。先生の車の後部座席にしか乗ったこと無くて、助席なんて初めてかもしれない。
「酔った??」
赤信号で止まり先生が言う。
酔ってなんてない。
今日は比較的元気だし、そんなに距離も行っていないから。
「や、酔ってないです……」
「そう…なら、いいんだけど、少しでも体調悪くなったら言うんだよ??」
君は言わないと思うけど、なんてぼそりと付け加えるから少し苦笑い。
だって迷惑じゃないか
少しのことでも言うなんて、
言わなければバレない、
少しのことならどうにかなる
限界まで達した時は迷惑はかけるけど
でも、やれることはやった方が救われる
自分、が……
「じゃあ、また明後日ね……。」
気が付けば家に着いていてそう言って降ろされる。
そうか、明日は休みだった。
明日なれば遙眞に会えると思っていたのにそんな期待が打ち砕かれる。
「はい、ありがとうございました。」
扉をぱたんと閉めてお礼を言う。
閉める間際、先生が「秘密なんて持ってるだけ先に進めないよ……」なんて言った気がした。
秘密にしたいわけじゃない、
秘密にしなきゃこの関係が壊れる気がしたから、
あぁ、そっか、遙眞も同じこと思ってるのかな。
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