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何も無いままに昼休みになる。
メッセージを送るかどうか悩んで結局辞めた。
教室でひとりでお弁当を食べるのも寂しいから保健室に向かうと「体調悪い??」だなんて先生に問われて。
でも、そんなんじゃなくて、「ただ来ただけ」と答えたけれど、先生は察してくれたか何も言わずにそこでお昼を食べるのを許してくれた。
ことんと音を立て目の前にホットレモンを置くと先生が隣に座る。
「生水くんがいなくて寂しいですね。」
そんな台詞を吐かれて恥ずかしくなる。
もう、ほらやっぱりバレてた。
「そんなんじゃないです……」
ごくんとお弁当のおかずを飲み込んでそう返す。
そうだよ、なんだよ、寂しいなんて……
馬鹿みたい……
遙眞は俺がいない時どうしてんだろ、とかも考えて嫌になる。
「そういうことにしといてあげるよ。でも、素直に言ってあげたら喜ぶのに。」
なんて、先生はけらけら笑ってそう言ってくる。
言うわけないじゃん、そんな台詞
言えるわけないじゃん、そんな台詞
俺は寂しいけど、遙眞が俺がいなくて寂しいかなんて分からないし、
いつかは離れてしまうんだから。
ぶぶぶと電源を入れていた携帯がポケットで震える。
遙眞からかと思えば違って思いがけない相手から。
和史から、
そういえば文化祭の時に連絡先交換したっけ、と思い出す。
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