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俺の発言に「マジかよ」みたいな顔で反応するふたり。
「まだ引きずってたか……」
はぁと溜息を吐いて「どうするよ」みたいな感じで顔を見合わせる。
「ねぇ、灯くんてさ、遙眞のことどこまで知ってんの??」
「どこまで、って??」
遙眞のこと、俺が知ってるのはどこまでだろう。
「じゃあ、俺が今から言うことに知ってるか知らないかで答えて。」
和史がそう言って質問を始める。
遙眞の誕生日、好きな物、嫌いな物、出身中学、家のある場所、家族構成、どうしてそこの高校を志望したか、高校で部活に入らない理由……
知っているものに答えは要らないと言われてぱぱぱっと質問が降り注ぐ。
知ってるものに知らないもの。
圧倒的に知らないものが多くて驚いた。
俺、さ……遙眞と二年間、いや、まだ二年は過ぎ切ってないけど、それでも、一年半以上は一緒にいた、よね??
何でこんなに知らないの??
自分のこと知ってもらいたい、とかじゃない、秘密を隠し通さなきゃ、とかじゃない、そんなことよりも俺は遙眞の何も知らなくて、遙眞はきっと俺のこと俺が遙眞を知っている以上には知っている。
きっと、そう、
なんだよ、俺、馬鹿じゃないの、全然、遙眞のこと知らないじゃん。
まだ続く質問に目頭が熱くなる。
もう辞めて欲しい、これ以上、遙眞のことを知らないなんて嫌で嫌でたまらない。
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