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戻ると和史にすごく謝られる。
「何度か音は聴こえてたから倒れてはないと思ってたけど、ごめんね、辛かったのに無理させて。」
あぁ、この感じは何度かトイレまで覗きに来てたのか、声をかけなかったのはこの人たちなりの優しさなんだろう。
謝られたって、和史は何も悪くないのに、
悪いのはむしろ俺なのに、
智瑠にぬるい水を渡される。
「脱水起こすと大変だから、制限かけられてないなら飲んで……」
そんな台詞と共に。
だから、なんなんだよ、制限って。
礼を述べてそのグラスを持とうとすると手が震えた。やばい、落とす、そう思った時には智瑠に手を支えられていて、そのまま口元までグラスの縁を唇に当てられ、水が少し口の中に注がれる。
焼けた喉に優しく当たって気持ちがいい。
何口か飲むとほっとしたように、「送って行くから帰ろうか。」なんて。
そんな、どこまで迷惑をかける気なの、俺
「大丈夫です。」だなんて言葉はもちろん信じてもらえなくて、お姫様抱っこかおんぶか好きな方選んでとかそんな選択肢が与えられる。
流石にお姫様抱っこはまずいと思っておんぶを選ぶと智瑠の背に背負われた。
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