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「ねぇ、灯くん?? 遙眞って優しさが重いでしょ。」
家に着き、智瑠に玄関で降ろされると礼を言おうとするのを遮って和史がそんな台詞を放つ。
重くないか、と聞かれたら重いけど
そんなの肯定したら
遙眞の優しさを否定することになる
「俺らの口から言うべきでないとは思うんだけど…少しでも遙眞に戻って欲しいし、君なら変えてくれそうだから言わせて。」
応えを告げないままに和史が続ける。
「この前、俺らがいった夕ちゃんって言うのは遙眞の死んだ弟。」
その言葉ひとつでいろんなものが繋がる。
あぁ、なんだ、俺ってそいつの代わり、だったのか。
そうなるとなんだか納得した。
悲しくなった。馬鹿にすんなって思った。
俺の気持ちだけの一方通行。
優しさなんてその裏側には何が隠れてるなんて分からない。
和史は何かまだ話してる、話してた。
それなのに何を言われたかもう何も頭に入ってなくて、覚えているのは最後に言われた言葉だけ。
「君は死んだりしないでね。」
なんだよ、それ
そんな約束できるわけないだろう??
できたとして、どうして代わりの俺がしなくちゃいけないんだよ
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