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いつものように遙眞が迎えに来る。
先に行くとか今日は休むと告げるとかそうすればよかったのにどうして俺は遙眞を待っていたんだろう。
「ねぇ、お前それでどこが大丈夫なわけ??」
自転車を止めて俺を見ればそんな台詞。
「は??大丈夫だし。」
大丈夫なんかじゃない。
そんなのは分かってる。
分かってるけど。
「お前、今日はさすがに休め。」
はーぁと長めの溜息を吐かれて呆れ声。
久しぶりに聞いた気がする。
「休まない。」
「そんなんじゃ無理だろ??」
「無理じゃ…ちょっ……」
自転車から降りて俺を担ぐ。
そんなに軽々しく持たないで欲しい。
抵抗させて欲しい。
「お前どうして今日は珍しくそんな意地張ってんだよ。」
そんなことを言われてじたばたしてた動きを止める。
そんなのお前が本当に見てるのは俺じゃないんじゃないか、って思ったからだよ。
なんて、そんなことを素直に言えたらいいのに。
あ、でも、もういいか……
どうせ俺は代わりなんだし……
「ねぇ…遙眞……」
とさりと部屋のベッドに降ろされる。
枕元にいるものを準備しようと部屋から出て行きそうになる遙眞を引き止めそう声をかける。
もういいや、もう……
この関係が壊れるならば
それはもう
今でいいや、一瞬でいいや
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