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「俺は夕ちゃんじゃないよ。」
きっと遙眞を見つめて言い放つ。
遙眞の目が一瞬丸くなって唇がぎゅっと噛み締められる。
「……それ、誰に言われたんだよ。」
何分くらいが過ぎ去っただろう。
少し間を置くとゆっくりと結ばれた口が開かれる。
いつもと変わらない遙眞。
でも、いつもと目付きが違う。
遙眞に対して怖いなんて思ったことがなかった。そんな遙眞の目が怖かった。
怒りのような呆れのようないろんな感情が表出されたようなそんな瞳。
「何、やっぱり俺は夕ちゃんのかわ……」
「代わりなわけねぇだろ。」
図星をついたのだと思った。
遙眞が最初に否定をしないから。
俺は本当に夕ちゃんの代わりなんだと思った。
だから、おかしくってそう言おうとすればすかさず否定される。
ずんっと耳の奥まで響くような声。
滅多に声を荒らげない遙眞がこんなに声を上げるなんて。
「夕眞(ゆうま)の代わりなんていやしねぇよ…」
俺をぐっとベッドに押さえつけそう述べる遙眞の声は震えてた。
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