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夕ちゃんが遙眞にとってどれだけ大事な存在なのか、はっきりとそこで証明される。
似てるだとか、
代わりだとか、
遙眞が否定したのは本気。
遙眞にとって夕ちゃんと似てる人もいなければ代わりなんている訳もない。
むしろ、夕ちゃん自身を望んでる。
そうじゃなければこいつはこんな感じに否定したりしない。
夕眞は夕眞だよ、とか
ともはともだろ、とか
そんな気の利いた台詞を零すはず。
なのに、今のこいつにはそんな余裕がどこにもなくって、できたのは否定だけ。
「悪い…とりあえず、飲み物とか洗面器とか用意するわ……」
はっと気が付いた遙眞がそう言って俺を離すと部屋を出て行く。
まだ似ている方がよかった、
代わりの方がよかった、
これじゃあ、お前の優しさはただの同情で哀れみじゃないかよ。
弱っている人をみつけて庇って構う。
そんなの俺、かわいそうなやつじゃん。
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